★芸歴５０年にして・・・

支障が一人で二席やるという営業。一席目の「ガーコン」が終わると、お客さんから二席目は違うネタやれという声。しかーし！支障はお客さんは入れ替えになると勘違いしていて、二席目もガーコンをやろうと思っていたのだった。まあでも、五十年もやっているのだ。どうにかするだろう・・・と思っていたら、“まあいいよな、二席目もガーコンで”なんて言ってる。

「ダメですよ支障、お客さん一人も入れ替わってないんですから！ジャズ息子とかはどうですか？」
「いや、あれは稽古しないとできない・・・」
「あー、そうでしたね。じゃあ、首屋とかは？」
「いや、もっと稽古しないとできない・・・」
「何かないんですか？」
「いいよ、ガーコンは何度きいても面白いんだから」

・・・いやいや、そういう問題じゃないでしょ！

そうこうしているうちに二席目をやらなければならない時間が近付いて来た。珍しく本気で困ってる支障。私はそこであるアイデアを思い付いた。

「そうだ、支障、三題噺やりましょう。私が今から題取りますから。それで少しつないですぐ上がれば、考える時間は少ないですけどハードルも低いし、ライブ感もあって面白くなりますよ。支障ならできますよ！」

支障は、自信なさげにうつ向いていた・・・。


・・・というところで、目が覚めた。
５０年もやってて、弟子にこんな恐い夢を見させないで下さいよ、支障！