★ガメちゃん

９日目、「平林」。平日にしてはとても陽気なお客さんでした。

支障は出番前の一番忙しいときに電話をかけて来て、「昨日おみやげでもらった干物持って来い！」だって。ガメついジイサンだ。しかも例によって、「お前のうちに朝電話したら、もう出た後らしく留守電で・・・」てな話から始まるし。「ご用件は？」ときくとやっと本題に入り、しかもどうでもいい話。出番前なので・・・と強引に切る。

高座後、おかみさんとランチに行く。ジュンク堂前で待ち合わせしたのだが、おかみさんは来るなり、「ここで吉河さん（新作無法地帯などをプロデュースしてる人）が働いてるのよね。ちょっと寄りましょう」。ちなみに吉河氏は支障が出る会もやったことがあり、支障宅にも行ったことがあるそうな。“なんで吉河さんに会いに行かなきゃいけないんですか・・・”と心の中で思ったつもりが、つい口に出して言ってしまった。おかみさんは気にする様子もなく、サービスカウンターに吉河氏を探しに行く。見当たらないのでどうしたのかと思ったら、部署が異動になり、接客はしていないとのこと。

あきらめて鮨屋へ。おかみさんはよく食べてくれるのでありがたい。ちなみに、おかみさんが円生師のおかみさんに食事に連れて行ってもらったときは、円生夫人があまり食べないので、食べた気がしなかったそうだ。

さっきの干物の話をすると、「うちも三人だし、そんなにもらっても・・・」とのこと。おかみさんがそう言ったと支障に言えば納得すると思うが、今日おかみさんと会うのは支障には内緒にと言われている。おかみさんは、「電話してきいたということで」と名案を出してくれた。

そして、おかみさんが近所のお友達と見つけた隠れ家的カフェでお茶をしながら、支障にどうやって健康診断を受けさせるかの画策。「へそ曲がりだから、あまりしつこく言うと行かないのよね・・・」「じゃあ、行かないように勧めてみましょうか？『支障、あんなもん行くことないですよ』『うるせえ、俺は行くんだ！』ってなるかもしれませんよ」・・・。

結局、私の提案は却下されたが、楽屋に戻って普通に勧めたら、一応、行く気になってはいるようだった。干物の件は「そうかい」といったんは納得していたが、しばらくして、「かみさんにいつ電話したんだい？うちにいたかい？」と若干疑い始めていた。これでおかみさんが弟子に鮨を食べさせたなんて知ったら卒倒しちゃうだろうね・・・。