★非重要参考人

豊橋から社員旅行のお供をして、夜は一席やるという仕事に行って来ました。

ただ、決して『落語家と行くバスツアー』ではないのだ。向こうにしてみたら、社員旅行に行ってみたらいきなり落語家がいたという状態。しかもみんな、バスガイドさんがびっくりするほど酒を飲んでいる。バスの中の小咄コーナーも、ホテルに着いてからの字遊びや落語も、まったくいつも通りにはいかなかった。「権助魚」と「平林」、わかりやすいのを選んではみたのですが・・・。

でも後できいたら、若い人達は単に落語の設定が昔なのでよくわからなかったようなので、次の日、着物で彦根城を登りながら「会社へ行こう」をやったら、どうやら、こっちの方が良かったようだ（他の噺ももっとききたいと言われたが、寝不足のため息切れしてしまった。体調を整えて、山登り落語会というのもいいかもしれない）。

寄席なら年齢層が広い場合は若い人に合わせるので、若い人２、３人だけ笑っていたり、子供だけ大爆笑なんてこともあるけど、今回は社員旅行だからなあ・・・なんて全体に気を使ってかえって失敗してしまった。若い人に合わせて新作にするのが正解だったのかも。それか、漫談ならいいかもしれない。さっそく支障にきいてみた。

「そういうのは親近感が必要だから落語はなあ・・・カラオケの司会ぐらいならいいけど。俺も前、社員旅行ついてったことあるけどダメだったな」
「支障もダメでしたか・・・」
「うん、酒飲んじゃってさ」

いやいや、そりゃダメだろ！なんとギャラも契約の六分の一しかもらえなかったそうで。まったく、参考にならない支障である。